骨折はその名の通り骨が折れたり、骨にヒビが入ったりすることで起こります。
今回は骨折の状態や症状などについて紹介してきます。
「骨折の種類や症状」について徹底解説!正しい知識で早く治す
一言で「骨折」と言っても、骨折には様々な種類や症状があります。
なので、それぞれの骨折の性質を知って対処する事が、
早期治療につながります。
ここから、骨折の種類や症状について、
詳しく解説していきます。
①骨折の分類
骨折にはいくつかの種類があります。分類方法もいくつかありますので順番に紹介してきます。
(1)原因による分類
骨折の原因によって分類すると、3種類に分けることができます。
まずは外傷性骨折(がいしょうせいこっせつ)です。
外傷性骨折は骨折の中では一番多い骨折です。
正常な骨に外側から大きな力が加わることにより、骨折が起きます。
骨の強さ(骨強度)よりも外側からの力の強さ(外力)が強いと、外傷性骨折が起こります。
次に、病的骨折(びょうてきこっせつ)があります。
病的骨折は骨粗鬆症などで骨が弱くなってしまい、通常では折れないような小さな力で骨が折れてしまう骨折です。
病的骨折では、前述の骨強度が低下しており、ちょっと転んだだけや、ぶつけただけでも骨折してしまうことがあります。
最後に疲労骨折(ひろうこっせつ)です。
中高生が部活動で疲労骨折しているのを見かけたことがある方も多いかもしれません。
疲労骨折は、同じ場所に力が繰り返し加わることで起きる骨折です。
子供が疲労骨折する原因としては、練習のし過ぎや変なクセが付いた動きを繰り返していることによって起こります。
疲労骨折は脛骨(けいこつ)というすねの骨に起こることが多く、上半身よりも足などを疲労骨折している人が多いのは、これが原因です。
(2)皮膚がつながっているかどうか
骨折しても皮膚がつながったままで出血していない骨折を閉鎖骨折(へいさこっせつ)といい、皮膚などが破れて、骨が外に出てしまう骨折を開放骨折(かいほうこっせつ)といいます。
骨折は衝突やぶつけることで起こるのが一般的なため、閉鎖骨折の頻度が非常に高くなっていますが、交通事故や不慮の事故などで開放骨折となることもあります。
開放骨折では早急な対応が必要となり、出血性ショックなどが起こってしまうこともあります。
②骨折の症状
骨折が起こると様々な症状が起こります。
代表的な物には、腫脹(しゅちょう:腫れること)・疼痛(とうつう:痛みが出ること)・圧痛(あっつう:押すと痛いこと)・変形などがあります。
他にもおかしなところで曲がったり筋肉も一緒に痛めたりしてしまうこともあります。
肋骨などが折れてしまうと、肺やその他内臓にも影響が出てしまうこともあり、気分が悪い・めまいや頭痛がする・おなかが痛いというような場合は医者にしっかりと伝えるようにしましょう。
③骨折が治るまで
骨折が治るにはある程度の期間が必要ですが、体の中ではどのようなことが起きているのでしょうか。
まず、骨折をすると骨の位置がズレます。
そのため、病院では骨をなるべく元の位置に戻すように動かします。
これを整復(せいふく)といい、人間の手で整復することもあれば手術をして整復する場合もあります。
次に固定を行います。
ギプスやテーピング、場合によっては金属のピンを埋め込む等、折れた骨同士を常にくっついている状態にしておきます。
固定が行われた骨と骨の間には軟骨ができるようになります。
鳥の手羽先を食べたことがある方は分かるかもしれませんが、関節の所にあるコリコリしているのが軟骨です。
最初のうちは、骨の間が軟骨で満たされ、これが後々骨となっていきます。
固定の期間が終わると、リハビリテーション(通称:リハビリ)を行います。
骨折をして折れた部分を固定していると、関節が動かなくなり自由に曲げ伸ばしできないようになります。
これを拘縮(こうしゅく)といいますが、他にも筋力低下等が合わせて起こります。
これらの問題を修正し、元の生活に戻れるよう、リハビリを行うのです。
人間は3日寝たきりでいると体の約1%の筋力が落ちるといわれています。
また5日間寝たきりでいると、約1%の骨が無くなってしまいます(消失するわけではなく、弱る)。
人間の筋肉は大体20kg程あるので、たった1週間寝たきりでいるだけで、500mlペットボトル1本分の重さの筋肉がなくなってしまうのです。
そう考えると1%といえど侮ることはできませんよね。
筋力を元に戻したりスポーツへの復帰や職場復帰をしたりすることを目的にする場合、リハビリテーションは必須となるのです。
このような過程を経て骨折は完治します。
人間には恒常性(こうじょうせい)という機能が備わっており、普段の状態と違う状態(骨折して骨が折れたりなど)になった場合、元に戻そうとする働きがあります。
この恒常性により、一度骨が折れてしまっても正しい処置を受ければ限りなく元の状態に近づけることができるのです。
骨折してしまった場合は、医師の指示をしっかりと守り、正しい方法で復帰を果たせるようにしましょう。