ブランドと聞いて何を思い浮かべますか?
また、ブランドとは?という質問にどう答えますでしょうか?
ブランドは、その会社にとって生き残って行くために、もっとも重要な要素の1つであります。
ブランドの役割はいくつかあります。
1.品質の保証
2.プレミアム価格をつけられる
3.会社の魅力度アップ
4.所有者のステータス
まだまだ、あるかと思いますが上記について少し説明します。
1.品質の保証
例えば、何か商品を買って使ってみて良かったと感じたら、そのブランドの商品は自分にとって安心・信頼できるし、そのブランドから出されているその他の商品も気になるのではないでしょうか。
また、アフリカのお口で喉が渇いた時、ボロボロのお店があって、そこには得体の知れない怪しいジュースがいっぱい並んでいる中に、コカ・コーラがあればそれを選ぶのではないでしょうか?それは、コカ・コーラのブランドがあなたにとって安心と信頼があるかです。
このように、一度お客様にブランドを気に入ってもらえれば、派生的にいろんな恩恵を被る事ができるので、会社は強力なブランドを作る事が競争社会で有利になります。
2.プレミアム価格をつけられる
こんな事を思った事があるのではないでしょうか?モノ自体は大した事ないけど、グッチって書いてあるから、同じような商品よりも断然高い(もちろんグッチはモノもいいと思いますが)。
つまり、ブランドがなければ、正直同じようなモノはいくらでもあるので、あとは価格競争が起こります。
しかし、ブランドが強いと価格競争に巻き込まれずに、ジリ貧になる事を防ぐ事ができます。
3.会社の魅力度アップ
強いブランドをいくつも持っていれば、それを扱っている会社の魅力もアップします。つまり、長期的に安定的な収益を得る可能性が高いからです。そうなると、投資家達にも魅力的映り、ますます資源を得やすくなります。そして、その資金で更に強いブランドを作る事もでき、好循環が生まれます。
4.所有者のステータス
これも重要な要素です。
例えば、聞いた話ですが、BMWというドイツの高級自動車メーカーの人がこう言いました。「正直言って、性能はトヨタ自動車に我々は負けています。ですが、では全員がトヨタ自動車のクルマを選びますか? 我々の売上は順調に上がっています」。
つまり、ブランドとは性能や機能、パフォーマンスを超えた存在であるという事です。ブランドは直感的にお客様に訴えかけて、購買意欲を掻き立てるのにも役立ちます。
また、高級ブランドバッグメーカーが、あるときアウトレットに出品したらどうなるでしょう。
これまで、価格は高いけれど、それを持つ事が出来る一握りの人物だとステイタスを感じている人がいるとします。ちなみに、こういう人がよくいう8:2の法則で、2割の人がそのメーカーの8割の売上を作っているってやつです。
そんなブランドがアウトレットに参加したら、そのブランドはもっと一般的な人でも持てるブランドになってしまいます。
そうなると、これまで一握りの人物にステイタスを感じていた上得意さんが、誰でも持てるブランドならいらな~いって、そのブランドから去っていく事でしょう。そうなると、8割の売上を作ってくれていたお客様がいなくなるので、会社はピンチになるでしょう。もちろん、それ以上にお客様の数が増えて売上が上がればいいのですが、なかなかそうならないのが現実です。ただし、お客様を増やすために、既存の枠を外さなければならないのも事実です。
もう1つ。
あなたがめちゃめちゃ疲れているけど、もうちょっと頑張らなければならない時に飲むドリンク剤として、「ユンケ●」と「リポビタン●」であればどちらを選択しますか?
もちろん、価格差があるので、持ち金次第もあると思いますし、それぞれのブランドでいくつか種類もありますよね。
では、例えば、
「ユンケ●」の最も売れているスタンダードなやつと「リポビタン●」の中でも最高ランクの商品があり、価格が同じであればどちらを買いますか?
100対0とはならないかもしれませんが、多くの人が「ユンケ●」を選ぶと思います。
なぜ、このようになるかというと同じ栄養ドリンクブランドの中でも、明らかにブランド間にレベル差があるという事です。
価格も同じ、効果が同じであれば、なおさら「ユンケ●」を選ぶと思います。
これは、「ユンケ●」ブランドのスタートはめちゃめちゃ高い栄養ドリンクブランドから始まり、最近は少しお手頃なラインナップも揃えましたというスタンスです。一方、「リポビタン●」がめちゃお手軽な栄養ドリンクブランドとしてスタートし、最近はより強力で高価なラインナップも揃えましたというスタンスです。このブランドの成り立ちの違いにより、「ユンケ●」の方が効果が高いというイメージが生活者には刷り込まれているからです。
ついでにもう1つ例をあげると、
トヨタ自動車がなぜ「レクサス」というブランドを、トヨタ自動車とは全く切り離して展開していると思いますか?
これはドイツの高級自動車メーカーに対抗するためです。
これも先程と同じ生活者の刷り込まれがあります。
ドイツの高級自動車メーカーはスタートが高額商品を扱っています。一方、トヨタ自動車は元々は庶民的な価格帯からスタートしています。よって、トヨタ自動車から、ドイツの自動車メーカーに負けないくらい、高性能な自動車を作って販売しても、所詮、庶民のトヨタ自動車でしょ?って思われてしまい、同じ価格帯ならドイツの自動車メーカーの方がカッコイイしステイタスになると思われるからです。
なのでトヨタ自動車は、トヨタ自動車から高級自動車を生み出すのではなく、「レクサス」という高級自動車メーカーを別で作り、そこから生み出す高級自動車としてドイツの自動車メーカーと張り合おうとしたのです。
だから、ディーラー別にしてレクサス専用のディーラーを設けているのです。
最後に
いかがでしたでしょうか?
ブランドは生き物です。
そして、マーケティングに求められるのは、時代と共にブランドを柔軟にマネジメントする事が重要となります。
ブランドの守りべきところは守り、生き残るために変えなければならないところは柔軟に変えていく事こそが、マーケッターの腕の見せ所だと思います。