マーケティング戦略の策定プロセスについて③

前回までは、新しく商品やサービスを考えるためのステップについてお話しました。
今回は最後、より具体的な商品やサービスに落とし込むためのステップについてお話します。
6.マーケティング・ミックス(4P)
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの次は、より具体的に商品やサービスを具現化していくステップです。
これは、マーケティング・ミックス(4P)を考えていく事になるのですが、4Pとは、製品(Product)、値段(Price)、売り場(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの項目の頭文字をとって4Pと言います。
 
まず、製品ですが、
これはズバリ、これから狙おうとしているターゲット(お客様)に対して、どのような商品設計をするかの部分です。どんな素材を使うのか、どんな技術を使うのか、容量はどうするのか、どんな入れ物にするのか、どんな形にするのか、どんな色にするのかなど、商品そのものの設計を決めるステップです。
ここで重要になってくるのが、狙おうとするターゲット(お客様)をよく知る事です。もちろん、これまでの経験や想像でお客様像をカタチ作る事も出来ますが、やはりお客様リサーチが必要です。いわゆる消費者調査です。ターゲットとしているお客様に対して質問を投げかけ、趣味や思考、大切にしている事や抱いている課題、希望などについて炙り出す必要があります。それらを踏まえて、今から開発しようとしている商品やサービスをどのようにマッチさせていくのかが重要で、それにより、素材、技術、容量、入れ物、形、デザイン、色などを決めていくべきです。
 
次に、値段です。
商品としての外観や中身ができれば、次は値段です。
値段はお客様がもっとも気にする要素でもあるので、値付けは非常に重要です。
基本的に、人は自分が感じるよりも割安であると判断したものでないと、購入には至りません。つまり、この見た目・形・性能でこのお値段?安い!と思うものにしかお金は支払わないのです。
値段の決め方は様々あり、例えば、原価に一定の利益を乗せて設定する方法、競合品の価格を参考にして設定する方法、また消費者調査結果より設定する方法などあります。
いずれにせよ、マーケティングとしては、作った商品をいかによく見せて、価格以上の価値があるように思ってもらう事が重要です。
 
次は、売り場です。
商品設計も決まり、価格を決めたら、次はどこで売るのか?を決めます。
つまり、ドラッグストアなのか、コンビニなのか、通販なのかを決めます。
売り場を決めるためには、ターゲットとしているお客様とその商品の相性を考える必要があります。
例えば、ターゲットとしているお客様がよくドラッグストアに買い物にいく人達なら、ドラッグストアがいいでしょう。
また、通販をよく利用する人達なら通販がいいかもしれません。
また、値段も関係してきます。価格が低く利益率が低い商品であれば、全国展開しているドラッグストアに出して、数を稼ぐ必要があります。一方、高額商品で利益率が高い商品であれば、おそらくドラッグストアにおいても売れにくいので、通販が適しているでしょう。
また、パッとみて商品の良さが分かる商品であれば、店頭に置いておいても、お客様自身でその商品を理解できると思いますが、パッとみて良さが分かりにくい商品であれば、きちんと商品の良さを補足説明できる通販を活用しコールセンターの方がフォローした方が良いです。
 このように、ターゲットとその商品の相性を考えて、どこで売るのかを考える必要があります。
 
最後に、プロモーションです。
ターゲットも決まり、商品も決まり、売る場所も決まれば、あとはどうやってその商品をアピールするかです。
分かりやすのは、TVCMをうつ、新聞の載せるなどがありますが、これもターゲットとの相性を考える必要があります。
例えば、最近の若者はTVをあまり見ないとされているので、若者をターゲットとした商品であれば、TVCMをしても見てもらえず、広告費ばっかりがかかってしまい効率的とは言えません。
また、若者をターゲットとするのであれば、SNSなどによる拡散を狙う方が良いかもしれません。
また、高齢者をターゲットとするのであれば、TVCMよりも比較的新聞を読まれる方が多いので、新聞に載せる事は効率的であると思います。
 
7.計画の実行
ここまでくれば、あとは、短中長期で、売上げ見込みやコスト計算、損益試算を行います。これは重要であり、つまり目標設定になります。
この目標設定をしないと、実際に実行した結果が成功だったのか失敗だったのかの判断がつかないので、次のアクションに繋がりません。
 
これまで、綿密に計画を立てても、やはり実際に販売して見ないと結果は分かりません。
なので、大切な事は、どのような結果になっても次のアクションがすぐに打てるうように、事前に色々なオプションを準備しておく事が大切です。
正直、どれだけ完璧なプランを立てても、いきなりヒットする商品やサービスは一握りです。なので、ダメだった時の手段をあらかじめ色々考えておけば、スピード感をもって対応できるので、失敗しても、きちんと成功に導ける道筋を描く事ができます。
 
また、世に出した後も定期的に消費者調査をする事をオススメします。
当初の想定していた内容よりも、実施に世に商品やサービスを出した後ではズレが生じるものです。そこを調査で明らかにして、適宜修正を行っていくべきです。
そして、商品自体の改良、価格や売り場、プロモーションの見直しを行い、徐々にターゲットのお客様に近づける商品やサービスへと変化させていけば、ロングセラー商品に近づけるでしょう。
最後に
いかがでしたでしょうか?
マーケティング戦略の策定プロセスの7つのステップを順番にご説明させて頂きました。もちろん、今はビッグデータを活用した手法など、色々な手法が開発されたりしていますが、基本はこの7つのステップになると思います。この基本7ステップをきちんと理解した上で、最新の手法を取り入れれば、より成功率は上がるでしょう。