前回までは、6つのプロセスの中でも特に重要な最初の2つのステップについてお話しました。
今回は、実際に商品やサービスを生み出すためのステップについてお話します。
3.セグメンテーション(セグメントに分ける)
内外部環境分析、SWOT分析が終わり、マーケティング課題の優先順位をつけたら、次は市場にどのようにアプローチしていくのかを考えます。
まず最初に、セグメンテーションです。
お客様にとってもっとも良いアプローチ方法が、お客様1人1人にあった商品やサービスを提供する事です。つまり、日本であれば、人口1億2千万人の1人1人に合ったその人だけのアプローチをするのがベストです。ただし、もちろん1人1人に合うようにカスタマイズした商品やサービスを提供する事は現実的に不可能です。
そこで、考えるやり方として、1人1人ではなく、同じ傾向をもつ人達を1つの塊として捉える事です。
例えば、日本の女性をターゲットとした商品を発売する!と意思決定がなされた場合、日本の女性約6000万人を何らかの基準で10のグループに振り分けます。基準は、天然素材を好む女性グループや安さを重視するグループとかです。
つまり、6000万人の日本女性を、10人の大きな女性に分けて、購入してくれそうな人達を取捨選択するために、グループ分けする事がセグメンテーションです。
4.ターゲティング
日本の女性を10のグループに分ける事ができたら、次はどのグループを狙うのかを考えます。ターゲティング です。
グループは、天然素材を好むグループ、価格を重視するグループ、家族で使える事を重視するグループなど様々に分けられている中で、自社が天然素材に強みがあるのであれば、天然素材を好むグループを狙うべきです。
このように、セグメントされたグループの中から、狙うべきグループを選択する事をターゲティングと言います。
つまり、買ってくれそう、もしくは買って欲しいお客様を特定するステップなので、”この商品は誰が買ってくれるのかなぁ~”のズバリ答えの部分でる。
このステップも非常に重要で、選択したグループに対し、今から開発しようとしている商品やサービスがなぜ必要なのかをきちんと明確に宣言しておく必要があります。そう、商品やサービスを先に作って、後からなぜを考えては遅いです。
5.ポジショニング
セグメンテーション、ターゲティングの次は、ポジショニングです。
ターゲティングで絞り込んだお客様グループを更にフォーカスすると、当然すでにその人達は現在何らかの商品を買っているわけです。そう、そこには競合他社がいるわけです。いくら、自社が天然素材に強みが合っても、同じく天然素材に強みを持っている競合他社はいます。
なので、次に考える事は、それら競合他社に負けない自社の立ち位置を確立する必要があります。
例えば、競合他社は天然素材を使用しているが価格が高い商品を扱っており盤石の地位をすでに築いているとします。であれば、これから参入しようとしている自社は同じような設定では勝ち目がありません。そこで、自社は天然素材を使用し且つ価格も手頃である商品を扱う事で、競合他社と差別化が生まれます。このように、競合他社と比較し、これから参入しようとする自社を位置付ける事をポジショニングと言います。
これにより、競争優位性が生まれ、戦う準備が出来たと言えます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
マーケティング戦略の策定プロセスの7つのステップのうち、3~5のステップのお話をさせて頂きました。
この3つのステップを考える際に大切な事は、いきなりどんどん絞り込んでいく収束的にするのではなく、まずは拡散的にあらゆる可能性を広げるところから始めるべきです。その中で、徐々に収束させていき、これも優先順位をつけて取り組む必要があります。
次からは、より具体的に商品やサービスの内容を決定するためのステップについてお話します。