マーケティングにおける、「ニーズ」と「ウォンツ」について

マーケティングにおいて常に意識しなければならないのは、お客様が何を望んでいるのか?
そして、自社はどのようにそれを表現して価値を提供すべきか?となります。
よって、お客様を引きつける為には、お客様の欲求を満たす商品やサービスを生み出し続ける為の努力が必要不可欠です。
 
このお客様の要求を表す概念として「ニーズ」と「ウォンツ」があり、この違いをきちんと理解し、きちんと分けて考える事が重要です。
 
まずは、「ニーズ」について説明します。
ニーズとは、衣食住などの事から、文化的、社会的、個人的な事に到るまで、あらゆる場面で人間が感じる「満たされていない状態」時の欲求の事です。
例えば、「食品を安全に、一定期間、美味しい状態で保存したい」というのがニーズである。「冷めてしまった食品を素早く温めたい」もニーズです。
つまり、こんな事がしたい!とか、こうだったらいいのになぁ〜、という気持ちです。
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次に、「ウォンツ」について説明します。
先ほどのニーズ(食品を安全に、一定期間、美味しい状態で保存したい)に対し、具体的な商品やサービスがウォンツであり、この例で言うとウォンツは「冷蔵庫」となります。
同じように考えると、「冷めてしまった食品を素早く温めたい」のニーズに対するウォンツは「電子レンジ」です。
 
このように、「ニーズ」と「ウォンツ」の関係は、欲求と具体的な商品やサービスの関係と言えますし、このようにお客様の欲求を検討する事がマーケティングでは不可欠です。
 
更に、「ニーズ」には、表面的なニーズと本質的なニーズが存在し、本質的なニーズは顕在化していないケースも多い。先ほどの例で説明すると、「食品を安全に、一定期間、美味しい状態で保存したい」というニーズに対するウォンツが冷蔵庫でしたが、冷蔵庫がニーズを完璧に満たしているかと言えばそうではありません。
例えば、食品を半永久的に腐らず美味しい状態で保存できる技術として真空状態を作り出せる家庭的な装置が出来れば、もはや冷蔵庫よりも優れた保存装置が出来ます。
つまり、本質的なニーズはお客様からは言葉として出てこないが、潜在的には真空装置のようなものが手軽に手に入れる事が出来るようになれば、冷蔵庫はもはや必要なくなり、お客様からしたら今は冷蔵庫で我慢していると言い換える事も出来ます。 
また、ウォンツが分かればあとは、ウォンツにいかに付加価値をつけれるかがポイントとなります。
例えば、電子レンジというウォンツが導き出せたら、次に温める以外での便利機能などを考え、自社の強みを活かし競合他社との差別化を図る事が、マーケティングの腕の見せ所です。
 
最後に 
いかがでしたでしょうか? 
「ニーズ」と「ウォンツ」の関係性を理解して頂いた上で、ニーズはお客様から出てくるものだけでなく、更にその裏にある潜在ニーズを追求する必要があり、ウォンツが見つかれば、次はお客様にとって魅力的な要素を検討する事が重要です。